持病があると医療費がとてもかかります。
診察はもちろん検査、薬代・・・それ以外にも健康のために食事や運動にお金をかける方も多いのではないでしょうか。
ただでさえ病気でうまく働けずにお金の不安が増えたりもしますよね。
できるだけ金銭的な負担を抑えるためのありがたい制度が色々ありますので、今回はそちらをご紹介していきます。
特定医療費(指定難病)受給者証
もし難病になってしまったら、この制度が使えないか真っ先に調べてみてください。
難病の治療にかかる自己負担額が変わるためかなり恩恵を受けられます。
一般的に医療費の自己負担は3割ですが、これが使えれば指定難病の治療や処方箋医薬品が2割負担になります。
(あくまで指定難病にかかわる治療のみです。例えば、潰瘍性大腸炎で受給者証を持っていても風邪や花粉で病院にかかった分は3割負担になります。)
また、受給者証を得るためには、難病と診断されて、かつ、その難病の重症度が一定の場合である必要があります。
「難病法」による医療費助成の対象となるのは、原則として「指定難病」と診断され、「重症度分類等」に照らして病状の程度が一定程度以上の場合です。
確立された対象疾病の診断基準とそれぞれの疾病の特性に応じた重症度分類等が、個々の疾病ごとに設定されています。
ややこしいし難しい部分も多いので、こちらについては今後別の記事でも紹介したいと思います。
ちなみに受給者証を持っていると後述する携帯各社の割引も受けられますし、数は少ないですがアミューズメント施設でも使える可能性がありますよ。
限度額適用認定証
月の自己負担上限額が決められており、高額な治療を受けてもそれを超える分の支払いが免除されます。
例えば、1月、2月にそれぞれ100万円の治療を受けたとしても「区分ウ」の方であれば、各月の支払い額は10万円以下で済むようになるのです。
自己負担の上限額は収入や年齢によって異なるので、以下のサイトも確認してみてください。
▼協会けんぽ 高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/
こちらの認定証も申請をしないともらえません。
まずは自分がどの健康保険に加入しているかを確認し、健康保険組合や市区町村の国民健康保険窓口に申請をしましょう。
認定証を受け取ってから病院で診察を受ける際は、保険証とセットで窓口に出してくださいね。
傷病手当
会社員やパートの方であれば、加入している健康保険から傷病手当がもらえる可能性があります。
療養のため4日以上連続して会社を休み、給料の支払いがない場合に給料の3分の2が支給されるものです。最長で1年6か月が支給対象になります。
申請用紙には医師と事業主の記入が必要になるので、勤め先の会社と病院と連携を取りながら申請を進める必要がありますよ。
※会社で加入している健康保険でも国民健康保険でも傷病手当の制度はありますが、学生やフリーランス(自営業)の方は受給はできないかもしれません。お住いの市区町村にもお尋ねください。
<参考>協会けんぽ 傷病手当金について
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r307/
障害年金
需給のためのハードルはかなり高いと思いますが、心身の著しい障害で働くのが難しい場合は障害年金が受けられる可能性もあります。
障害基礎年金、障害基礎年金で基準も変わるようなので年金機構や障害年金に詳しい社労士さんに相談してみてもいいかもしれません。
ちなみに私は病院の相談窓口に聞いてみたら年金機構に相談してくださいと一蹴されました。。。
携帯各社の障碍者割
大手3キャリアであるdocomo、au、SoftBankでは、携帯利用料金の割引が可能な場合があります。
(ahamoやpovoなど、いわゆる格安スマホでの割引はありません)
以下の手帳や受給者証をお持ちの方が対象です。
割引対象になるプランやサービスの詳細は各社のサイトからご確認ください。
ハーティ割引(docomo)
基本使用料、オプションサービス、通話料、事務手数料が割引になるようです。
※「みんなdocomo割」など、ほか割引との併用できないみたいです
スマイルハート割引(au)
基本使用料、通話料、SMS送信料が割引になるみたいですね。
ハートフレンド割引(SoftBank)
おまけ
障害者職場復帰支援助成金
これは患者本人がもらえるものではありませんが、会社員として働いていて病気になった場合、条件を満たせば”会社側が”国から助成金を受け取れるという制度です。
得られる助成金は会社の規模により異なりますが50万~70万くらいです。
ただし、そもそも申請するための条件が療養期間が3ヵ月以上、カウンセリングや能力開発支援を行ったりする必要があるため、会社側でもかなり力を入れて取り組んでもらう必要があります。
そのためリソース的に中小企業での対応は難しいかもしれません。。。
難病で3か月以上仕事を休んで復職をされる場合、こういった助成金が出ることを会社に伝えたうえで労働条件を交渉してみるのも一つの手段かもしれませんね。
▼厚生労働省 障害者職場復帰支援助成金https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000081479.html
確定申告(医療費控除)
1年間の医療費が10万円を超える場合は確定申告をしましょう。今はネットからでも簡単に申告ができるので便利です。
▼国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
あまりないケースだと思いますが、税務署から領収書の提示を求められる場合があるようです。
医療費控除の申告をするなら病院や薬局の領収書を5年間保管する必要があるので申告が終わっても領収書は捨てちゃダメです。
面倒ですが、少額でも戻ってくるお金があるのはありがたいですよ。
まとめ
いかがでしたか?
私は難病になってもこういった制度があることを残念ながら誰からも教えてもらえなかったので自分で調べました。私は2018年から潰瘍性大腸炎になっていますが特定医療費の受給者証を申請したのは2年近く経ってからで、もっと早くに知りたかったと思いました。
負担はなるべく少ないに越したことはないので・・これを見てくださっている患者さんご本人だけでなく、もし知り合いで難病にかかっている方がいたらこの記事を紹介していただければ幸いです。
(患者さん本人が嫌がるようなら無理に勧めないであげてくださいね。体調が優れないのに手続きが面倒なものもあったりしてメンタルが辛くなってしまうこともあるので・・)